もっと知りたい海岸防災林!

海岸防災林の役割

日本の多くの海岸防災林は「白砂青松」と呼ばれ、全国でクロマツを中心に植栽し、管理され、人々の暮らしや国土を守り支えてきました。海岸防災林には、潮風や飛砂から農地や居住地を守ったり 津波エネルギーを弱める防災機能はもちろん、豊かな生態系から、レクリエーションや環境教育の場などたくさんの役割があります。

海岸防災林の成長

1年目|植栽
2~3年生のクロマツを植栽
クロマツは、乾燥や潮に堪え、風に抵抗力があり、生長が早いため、日本の海岸防災林として昔から多くの地域で植えられてきました。みやぎの海岸防災林の再生もクロマツを採用しています。

2年目~|下刈り・つる伐り
まだまだ小さいがグングン育つ若松
クロマツの苗よりも生育のよい雑草に押されて、地上部だけでなく根も張らなくなるのを防ぐため、季節ごとに下刈りやつる伐り作業を行い、クロマツの生育を助けます。

4~10年目|間伐作業(1回目) 樹高/3.5m~4m
樹高も伸び、野生動物も帰ってくる
樹高が低く下枝の枝張がしっかりしたクロマツにするため、枯れ枝の枝打ちや間伐作業が不可欠。この時期は、列状間伐という、4列ごとに1列の間伐を行い、枝がのびのび育つ空間を作ります。沿岸に生息していた野生動物たちもだんだんと戻ってきます。

15~20年目|間伐作業(2回目) 樹高/4m~4.5m
幹もしっかりし、防災林へと成長
さらにしっかりと育成するため、2回目の間伐では残していた3列の真ん中を列状に間伐します。日差しや風通しも良くなり、幹もしっかりと太く成長します。

20年目以降|間伐作業(3回目) 樹高/4.5m~14m
良いクロマツを残し、強い松林を作る
3回目の間伐では、よく育っているクロマツを残し、形状や育ちの良くない松を伐採する定性間伐を行い、強い松林へと育てていきます。広々とした空間が林内に広がり、樹高を伸ばしながら、松林の本来の機能が復活してきます。

およそ40年ほど|海岸防災林完成 樹高/14m以上
下枝の張った頑強な海岸防災林完成
40年もの時間をかけ、根もしっかり大地に張り立派に成長するクロマツ。季節ごとの保育作業はなくなりますが、松くい虫などの病気や、林内の不法投棄防止などを見回るパトロール活動が必要となります。

100年後|『白砂青松』の完成
防災への備えと美しい景観を次世代へ
長い年月を経て「白砂青松」の海岸防災林が完成。安全で美しい松林を維持していくために、パトロールやゴミ拾いなど日々の活動が必要になります。人々に愛され人々が集う場所に育てることで防災への備えを次世代へ繋いでいきます。

人の手を借りながら、クロマツは海岸防災林へと成長します。
震災以前は沿岸エリアに人々の暮らしがあり、この成長を支えてきました。
どうしても人の手、人々のチカラを借りなければ完成できない海岸防災林。
このプロジェクトは人々と海岸防災林エリアの繋がりの再生も目指しています。

「地域に愛され大切にされる森林」「震災を伝承する森林」
「災害に強い森林」。美しく強い松林を次世代へ繋いでいきます。

TOPICS
海岸防災林は
脱炭素化にも貢献します。
森林による二酸化炭素固定量=1haあたり8.08t-CO2
●協定地:146ha=1,180t-CO2/年
●民有林全体:753ha=6,084t-CO2/年

クロマツを健全に育てていくことは、カーボンオフセットへと繋がります。毎年毎年たくさんの二酸化炭素を固定化し脱炭素社会の実現に貢献します。

TOPICS
伊達政宗が
海岸防災林の生みの親?!
400年の時を超え、
政宗公と同じ景色を体感。

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宮城県の海岸防災林の歴史は古く、仙台藩主祖伊達政宗公が都市計画を実現するための大きな事業の1つでした。現在の仙台平野は豊かな水田地帯ですが、当時はヨシやマコモが生える湿地帯でした。海岸に近い湿地帯では干拓しただけでは米がとれず、海からの潮風や強風を防ぐ海岸防災林が必要でした。そこで、今の仙台市宮城野区蒲生地区の海岸砂地地帯にクロマツの植林を命じたのが始まりです。クロマツはもともと東北地方には自生していない樹種であったため、静岡県浜松からわざわざ種子を取り寄せ、苗木を育て、海岸防災林の造成が始まりました。政宗公の思いは、亡き後も仙台藩に長く引き継がれ、そして大震災をも乗り越えて同じ場所で新たな海岸防災林が造成されています。